法定検査で指摘を受けたら?簡易専用水道の是正対応と指摘事例

【監修】貯水槽清掃作業監督者
本ページは、貯水槽清掃作業監督者の監修のもと作成しています。(最終更新日:2026年10月27日)

【この記事の結論】
簡易専用水道の法定検査で基準に適合しない項目があった場合、設置者(管理者)は速やかに改善(是正)するよう助言されます。まずは検査結果書で指摘箇所を確認し、清掃・部品交換・補修など指摘内容に合った是正を行い、是正の記録を保管しておくことが大切です。汚水の流入のおそれや水質異常など衛生上問題がある指摘は、保健所への報告を求められる重大な指摘のため、すぐに対応が必要です。

法定検査の「指摘」とは

有効容量10㎥を超える受水槽(簡易専用水道)の設置者は、年1回の清掃とは別に、登録検査機関による法定検査を1年以内ごとに1回受検することが義務付けられています(水道法第34条の2第2項)。検査の内容は国の告示で定められており、基準に適合しない項目があると、検査結果書に指摘事項として記載されます。
「検査で指摘を受けたが、何をどこまで直せばよいかわからない」「誰に頼めばよいかわからない」という管理者様も多いため、本記事で指摘されやすい内容と是正の進め方を整理して解説します。法定清掃そのものの義務については「受水槽清掃の法定義務」で解説しています。

法定検査で確認される3つの項目

法定検査では、受水槽の水を抜かずに次の3つの項目が確認されます。

検査項目 主な確認内容
施設及び管理の状態 水槽の周囲・本体・上部・内部、マンホール、オーバーフロー管・通気管、給水管などに、汚水や雨水・虫などが入るおそれがないか、清潔に保たれているか
給水栓の水質 蛇口の水の臭気・味・色・色度・濁度・残留塩素に異常がないか(残留塩素は検出されることが基準)
書類の整理等 設備の配置・系統図、水槽まわりの図面、清掃の記録、点検等の記録が整理・保存されているか

なお、建築物衛生法(ビル管法)の特定建築物に該当する簡易専用水道は、書類による検査となります。

よくある指摘事項と是正内容

指摘されやすい内容と、主な是正方法をまとめました。実際の是正内容は現地の状況によって異なります。

指摘箇所 指摘の例 主な是正内容
水槽の周囲 物が置かれ点検・清掃のスペースがない、ゴミや水たまりがある 不要物の撤去・清掃、排水不良の改善
水槽の本体・上部 亀裂・漏水がある、上部に物が置かれている、ほこりや水がたまっている 漏水箇所の補修、上部の清掃・物品の撤去
水槽の内部 沈積物・錆・塗装の剥がれがある、外から光が入っている 受水槽清掃、槽内の補修、FRP貯水槽の遮光塗装
マンホール 施錠されていない、パッキンが劣化して密閉できていない 施錠の徹底、パッキン交換、マンホール蓋の交換
オーバーフロー管・通気管 防虫網が破れている・外れている 防虫網の交換・取付
給水栓の水質 残留塩素が検出されない、濁り・色・臭いがある 原因調査(受水槽・高置水槽・給水管)、清掃、水質検査
書類 清掃記録や図面が保管されていない 清掃報告書・水質検査結果書の整備、図面の作成・保管

書類の指摘を防ぐには、年1回の清掃とあわせて、清掃の作業報告書・水質検査結果書を検査時にすぐ出せる場所に保管しておくことが確実な対策です。

すぐに対応が必要な「重大な指摘」

国の告示では、次のような衛生上問題がある場合、検査機関は設置者に対し、所在地を管轄する都道府県知事等(保健所を設置する市ではその市長)へ直ちに報告するよう助言することとされています。川口市内の施設であれば、川口市保健所が報告先になります。

  • 汚水・排水が水槽に入っている、または入るおそれがある
  • 水槽の中に動物などの死がいがある
  • 給水栓の水質検査で異常が認められた
  • 水槽上部が清潔に保たれていない、マンホール面が低いなどで汚水が入るおそれがある
  • マンホール・通気管等が壊れていて、汚水や雨水が入るおそれがある

これらは利用者の健康被害につながるおそれがあるため、保健所の指示に従い、早急に清掃・補修などの是正を行う必要があります。水を使い続けてよいか判断に迷う場合も、まず保健所にご相談ください。

指摘を受けてから是正完了までの流れ

『1.検査結果書で指摘事項を確認』

検査結果書に記載された指摘箇所と内容を確認します。重大な指摘で保健所への報告を求められている場合は、先に報告を行います。

『2.現地調査・是正内容の確認』

業者が検査結果書をもとに現地を確認し、清掃で解消できるもの・部品交換や補修が必要なものを切り分けて、是正の内容と見積りを提示します。

『3.是正作業(清掃・部品交換・補修)』

断水が必要な作業は、居住者・テナントへの事前のお知らせを行ったうえで実施します。清掃と部品交換を同日にまとめると、断水の回数を減らせます。

『4.是正記録の保管』

作業報告書や交換前後の写真を保管します。保健所から是正状況の報告を求められた場合にも、この記録が根拠になります。次回の法定検査では、是正された状態が確認されます。

是正費用が変わる要素

是正にかかる費用は、主に次の要素によって変わります。

  • 指摘箇所の数と内容(清掃で解消できるか、部品交換・補修が必要か)
  • 水槽の材質・形状(FRPパネル、鋼板、コンクリートなど)と台数
  • 設置場所(屋内・屋外・地下ピット)
  • 断水の要否と作業の時間帯
  • 対応エリア、複数物件をまとめて依頼するかどうか

管理者様向け:検査前チェックリスト

  • 直近1年以内に受水槽清掃を実施し、作業報告書・水質検査結果書を保管している
  • 水槽まわりに物を置いておらず、点検・清掃のスペースがある
  • マンホールが施錠され、蓋のパッキンに劣化がない
  • オーバーフロー管・通気管の防虫網に破れ・外れがない
  • 水槽本体に亀裂・漏水がない
  • 設備の系統図・水槽まわりの図面を保管している
  • 前回の検査で指摘された項目を是正済みである

1つでもチェックが付かない項目があれば、検査前の対応をおすすめします。

よくあるご質問

法定検査で指摘を受けると罰則がありますか?
指摘を受けたこと自体で罰則が科されるわけではありません。ただし、管理が基準に適合しない状態を放置すると、保健所から清掃その他の必要な措置の指示を受けることがあり、健康を害するおそれがある場合は給水停止命令の対象にもなります。指摘を受けたら速やかに是正することが大切です。
是正はいつまでに行えばよいですか?
国の告示では、基準に適合しない場合は速やかに改善するよう助言することとされています。具体的な期限を指示された場合は、保健所の指示に従ってください。重大な指摘は、すぐに対応が必要です。
是正したあと、すぐに再検査を受ける必要がありますか?
水道法上、是正後の再検査の定めはなく、次回の法定検査で是正された状態が確認されるのが一般的です。保健所から報告や確認を求められた場合は、その指示に従ってください。作業報告書や写真を残しておくと、是正の説明がスムーズです。
検査をした機関に是正もお願いできますか?
法定検査は登録検査機関が行い、是正は設置者(管理者)が手配して清掃業者・設備業者などが行うのが一般的です。検査結果書をお手元にご用意のうえ、是正に対応できる業者へご相談ください。

法定検査の指摘事項の是正は弊社にお任せください

弊社は、埼玉県川口市を中心に埼玉県南部・首都圏の受水槽清掃・給水設備工事に対応しています。検査結果書をもとに、清掃・マンホールのパッキン交換・防虫網の交換・槽内補修など、指摘事項の是正を一括で対応し、是正内容を記録した作業報告書を発行します。

お電話でのご相談:048-287-3107(平日9:00〜18:00 土日祝を除く)

清掃のサービス内容・作業の流れは「受水槽清掃のページ」をご覧ください。

法定検査の指摘事項の是正のお問い合わせ・見積りはこちら

※本記事は作成時点の法令・制度に基づく一般的な解説であり、個別の事案については所管の保健所・自治体等にご確認ください。

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